抄録
霧の消散時における雲核濃度と半径0.05~0.25μmのエアロゾル粒子濃度の測定を、つくばにおいて行った。過飽和度0.24~1.24%の雲核濃度とエアロゾル粒子濃度は、霧の中よりも霧の消散後において、増加を示した。霧の消散後に採取した個々のエアロゾル粒子の元素分析をX線分析装置を備えた電子顕微鏡によって行った。定量分析の結果は、大粒子にはSが多く含まれていた。霧の消散時のエアロゾル粒子の半径成長割合は、エアロゾル粒子の半径の増加に比例して増加し、霧粒中の化学反応の重要性を示唆した。
個々の霧粒の残渣の元素組成を定量分析によって行った。また、霧の消散後の大粒子についても一緒に定量分析を行った。この結果、霧粒の残渣と大粒子のS⁄FeとS⁄Kの重量比は、それぞれ3.5と5.3倍となり、霧粒の残渣の値よりも大粒子のS分の値が非常に大きかった。
以上の結果から、SO2の酸化は霧粒の中において行われ、霧粒の蒸発が、地上近くの低層大気中における大粒子とCCNの濃度を増加させるように作用することが示唆された。