Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
長さのスケールの方程式を用いたクロージャーモデルで調べた中立成層乱流エクマン境界層の構造
木下 宣幸
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1993 年 44 巻 1 号 p. 17-28

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抄録
 乱流渦の長さのスケールの予報方程式を組込んだ2次と1.5次の乱流クロージャーモデルを用いて中立大気中の乱流エクマン境界層の性質を調べ、結果を乱流の消散率の方程式を組込んだ2次のクロージャーモデル、E-ε モデル、ラージエディシミュレーション及び直接数値シミュレーションと比較した。今回のモデルで得られた乱流エクマン境界層の高さは他のクロージャーモデルよりも高く、境界層上部での乱流運動エネルギーや乱流運動量フラックスは大きかった。これらの違いは予報された長さのスケールが他のクロージャーモデルより長いことに起因している。このモデルで得られた乱流エクマン層の構造は直接数値シミュレーションによるものと良く一致した。1.5次のクロージャーモデルの結果は定常状態では2次のクロージャーモデルの結果に良く一致するが、境界層の発達が遅いという問題点が見られた。
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© 1993 気象庁気象研究所
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