抄録
局所的低気圧生成は中規模気象学の重要な問題の一つである。これは東西方向に一様でない基本流の安定性の問題と結び付いている。
此処ではCai (1992) を一般化して次の場合を考察した。
(1) 基本場は一様変形場に加えて一様回転場を持っている。
(2) 擾乱は遠方で十分速く減衰する任意の関数形で孤立している。
(3) 擾乱の形は楕円形であり長軸は基本変形場の収縮軸と45度以下の任意の角度で交わっている。
此の場合にもCai (1992) と同様に次の結果が得られる。エンストロフィ保存による振幅増大の効果が離心率減少によるエネルギ減少の効果を凌駕して擾乱は過渡的に成長する。