台風0418 (2004年9月7~8日) と台風9119 (1991年9月27~28日) は互いによく似た経路で西日本を通り,ともに大きな強風被害をもたらした。これら2つの台風による風速分布の特徴を気象庁のデータを使って調べた。どちらの台風も風は中心の右側(南東側)で最も強かったが,台風9119は中心の左後方(西側)にも強風域を伴っていた。この強風域は強雨と低温を伴っており,中心後方の降雨帯に乾燥空気が侵入することによる蒸発冷却によって形成されたと考えられる。これに対して台風0418は中心後方の降雨が弱く,風速分布は軸対称な渦と移動速度との重なったものにほぼ近かったことが示された。