Papers in Meteorology and Geophysics
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極値の統計的推測に関する1つの新方式
鈴木 栄一
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1961 年 12 巻 1 号 p. 1-17

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抄録
極値推測論は多くの人によつて研究されているが,推測に伴う誤差表示はあまりやられていない。ここでは大標本的方法であるが,誤差を評価する技術的手順を二つ与え,その応用例を示した。一つは有限標本での極値分布の式をもとに期待値,分散を求めるが,GUMBELの方法が過小推定の傾向をもつのに対し,これは過大推定の傾向をもつ。他はtuncated分布における正規化変換曲線の外挿で,パラメーター変数の外挿に問題を帰着させるので,割合妥当な結果がでるし,誤差も少いが,truncation pointの設定次第で多少結果がかわるという弱点がある。現在の段階では誤差を少くする意味で後者が望ましい。そして極値推測とそれに伴う誤差は自ら推測の限度を規定することにもなり,現在やられている相当長期間の推測は誤差の中に推定値が埋没してしまう傾向からみてあまり意味がないことを示唆する。
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© 気象庁気象研究所
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