Papers in Meteorology and Geophysics
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慣性能率を極度に小さくした風向計とその応用
佐貫 亦男木村 茂林 弘明
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1966 年 17 巻 1 号 p. 46-50

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抄録
通常の風向計よりほぼ1桁だけ慣性能率の小さい風向計をバルサ材を使って作り,風洞実験してみた。その結果はゆきすぎ(オーバーシュート)量が激減し,同じことであるが減衰比(ζ)は激増した。減衰比を増すことはダンパーを装置しても実現できるが,この慣性能率を減じる方法は,そのほかに非減衰固有振動数(ωn)を増すことが特徴である。したがって特性時間,すなわち,振幅の包絡線が初期値の1/eに減じる時間(τ=1/ζ ωn)はさらに著じるしく低下できる。
この風向計は剛性が不足で,風速が大きいとき直接使用することはできない。しかし,角加速度を検知してフィードバックし,方向舵を操舵する装置が実現できれば,ゆきすぎ量を激減して,実用上効果のある風向計を得ることができることを示す点で意味がある。
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© 気象庁気象研究所
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