Papers in Meteorology and Geophysics
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逆転面をもつ山越え気流の特性曲線法による数値実験
荒州 正一大林 智徳
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1968 年 19 巻 3 号 p. 341-361

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抄録

一次元非定常の逆転面下の流れが山を越えるとぎの方程式系は双曲型で,二組の特性曲線を有する。この性質を利用して方程式系を特性曲線に沿って数値積分した。初期条件として,(1)至るところでsubcritical flow,(2)山頂でcritical flowで他はsubcritical flow,(3)至るところでsupercritica1 flowとなるような三通りのばあいを扱った。各例とも山の風上側で逆転面がもり上がり,風下側では低下してsupercritical flowが生じ,ある時間たつと風下側にjumpが生じた。初期流が速いほど風下側のjumpは下流に生じ,風下側山麓におろし風の起る可能性を示唆した。また風上側のもり上りは初期流が速いほど高く,おろし風の際にみられる風上側と風下側の異常な気圧差を説明している。
形が変化しないようなjumpまたはdroPの伝ぱんについて解析的な性質を吟味した。この性質から,上の数値解に現われた各じょう乱の伝ぱんと速度分布等が全部説明できた。

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© 気象庁気象研究所
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