Papers in Meteorology and Geophysics
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北太平洋西部海水中のプルトニウム含量について
三宅 泰雄杉村 行勇
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1968 年 19 巻 3 号 p. 481-485

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抄録

1967年春から夏にかけて採取した北太平洋西部海水中のプルトニウム含量について報告する。プルトニウムは,500lの海水から,水酸化鉄との共沈によって濃縮し,陰イオン交換法を用いて単離精製したの`ち,ステンレス板上に電着し,α 線波高分析法によって定量する。
表面水のプルトニウム含量は,1.8~22.6×10-15 g/lをしめし,申層水および深層水でも,かなり高い倉量がみとめられた。
プルトニウムの同位体のうち主要なものは239Puであるが,少量の239Puがみとめられ,238Pu/239Puの放射能比は7~28%をしめした。
海水中の239Pu/U比は2x10-10~9×10-9であり,火山岩やソ連の陸水中の値(2×10-9~7×10-7)よりも低い。

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© 気象庁気象研究所
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