Papers in Meteorology and Geophysics
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長波長放射計の検定について(II)-「水平面」放射計の場合-
嘉納宗 靖鈴木 正
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1976 年 27 巻 1 号 p. 33-39

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抄録
「水平面」放射計(下向きおよび上向き放射量を測定する放射計)を検定する装置の放射源として具備すべき条件は,
(i)放射率が既知で大きいこと
(ii)温度が既知で,一様かつ安定していること,
(iii)検定中の放射計の受ける放射がすべて放射源より発していること
である。無数の小噴水を有する水面と水面の周囲に張りめぐらされた低い滝よりなる放射源が,上記の条件を満足することを論じ,これを基にして「水平面」放射計用の一つの新しい検定装置を試作した。この検定装置は単に「水平面」放射計のみならず,通常の空洞型検定装置で検定不可能な放射計をも検定しうるものである。 現用の「水平面」放射計をこの検定装置で精度よく検定できることを示した。特に水平面放射計の測定精度に著しく影響する風による感度の変化を測定した。その結果,風のない場合に比べて5m/secの風速の場合にはGierDunkle型通風「水平面」放射計では通風と直角方向の風で約20%,通風と逆方向の風で約11%および通風と同方向の風で約1%だけ感度が小さくなる。一方Funk型および,英弘精機製風防「水平面」放射計では,風向に無関係にそれぞれ約7%および8%だけ感度が小さくなることがわかった。
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© 気象庁気象研究所
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