抄録
1964-75年の資料を用い,太陽地球間をむすぶ惑星問空間磁場(IMF)のセクターの境界(正-負)又は(負-正)を起点とし,重ね合せの方法(Chreeの方法)で宇宙線強度(約20観測点),太陽風,IMFの特徴的な変化をしらべた.
境界通過後の宇宙線変動として,セクター境界の極性と無関係にFD型の減少がみられた.セクター境界は,シックフロント的な構造をもつと考えられており,これがFD型の減少を示すとみてよい.太陽爆発にともョなうシ(急始地磁気嵐:SSC)を起点として同様の解析を行い比較した結果,宇宙線強度の変化スペクョトックフロントルはセクター境界の場合,より高いエネルギーにまで及んでいることが見出された.境界の極性に関係のある宇宙線変動を,更に境界に対し対称的なものと,反対称的なものに分けた.これらは,IMFの構造と太陽系空間内の宇宙線の密度勾配が関係しているものと考えられ,前者は南北方向の勾配,後者は太陽からの距離による正の勾配が対応するとみられる.