Papers in Meteorology and Geophysics
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停滞前線附近における局地性豪雨の発生について
藤原 美幸戸矢 啓吉
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1958 年 9 巻 1 号 p. 40-47

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抄録
梅雨末期の豪雨をPPIレーダーの写真と雨量図について比較して局地的に降る豪雨の申で局地に集中して降る豪雨の一つの典型とみなされる例を示す.1957年7月上旬の脊振山のレーダーの観測(福岡管区気象台でレーダーを予報に応用する研究の一環として行われた)に基いて解析した結果 (1)低層の南西jet気流(2)暖域内の対流不安定の成熟が定着性レインバンドの発生,発達の主な原因であることがわかつた。また,自記雨量観測点ではこまかい等雨量線の模様が引けないので区内観測所の資料を用いて細かい日雨量パターンを引いてみたところ前線と定着性レインバンドの近くにその交点附近で狭いが非常に強い降雨域があることとわかつた。従つてこれら二つの結果は上述の二つの条件が前線の定常化は局地性の豪雨の予報にとつて非常に重要な要因であつたことを暗示している。
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© 気象庁気象研究所
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