日本菌学会大会講演要旨集
日本菌学会第53回大会
セッションID: C1
会議情報

里山における変形菌の発生と葉リターの分解段階との関係
*高橋 和成波田 善夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
変形菌は、主として細菌などの分解者を摂食して生活しており、植物遺体の分解過程と関連性を持って発生する。しかし、葉リターの分解段階や樹種の違いに関連した変形菌群集の相違はほとんど分かっていない。本研究では、森林土壌の新規落葉層、L層、F層のそれぞれ分解段階が異なる層位で、発生する変形菌群集の種構成を比較した。研究方法は、1)里山の樹種が異なる林床で、各土壌層位の葉リターを採取、2)林床のプラスチックコンテナ(80ℓ)に各層位ごとに葉リターを集積、3)発生する変形菌の子実体を5月から11月にかけて2週間に1回の頻度で観察、4)子実体が着生した葉枚数で発生量を評価することとした。アベマキ、アラカシ、ツブラジイの3樹種の葉リターで、合計38種の変形菌が出現した。これらの樹種の新規落葉層では35種、L層では19種が出現した。新規落葉層とL層では17種が共通して出現し、共通係数(CC)は0.630であった。しかし、F層と分解2年目の落葉ではそれぞれ3種が出現したのみであった。葉リターの異なる樹種間で変形菌群集の種組成は相違したが、3樹種ともに新規落葉層で種多様性が高くなった。このことから、森林土壌のL層は変形菌の生育場所として重要で、変形菌は落葉の分解段階や樹種に応じて異なる変形菌群集を形成していた。
著者関連情報
© 2009 日本菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top