日本菌学会大会講演要旨集
日本菌学会第53回大会
セッションID: C12
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Umbelopsis ramannianaの種内グループの世界規模での分布
佐藤 美沙子広瀬 大*小川 吉夫大園 享司徳増 征二
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抄録
Umbelopsis ramannianaは極地方から赤道にいたるまでの様々な気候帯に生息する広域分布種であり, nrDNA ITS領域やnLSU rDNA 28S D1/D2領域の塩基配列の変異に基づけば, 少なくとも3つの種内グループが存在することを明らかとなっている(Ogawa et al., 2005). これまで,我々は, これらU. ramannianaの種内グループの空間的分布について,1m2スケール(筑波大菅平実験センター内の調査区), 地方スケール(カナダ,バンクバー島南部の南北約200 kmの調査域), 大陸横断的スケール(北米大陸東西約4000 kmの調査域)での調査結果を報告してきた. しかし, rDNAには縦列重複(tandem duplication)が存在するため, 対象とする領域の塩基配列を1つに確定することが困難な場合があり, これらの調査結果を統合して世界規模での種内グループの分布を解釈することが出来なかった. 今回は,alpha-tublinおよびRPB2の部分塩基配列の変異に基づいて, これら種内グループの世界的分布について考察した. その結果, 3つの種内グループのいずれもは, 汎世界的に分布しているが,各々,生息域を反映して僅かずつ塩基配列に変異が認められた. しかし, いくつかの例外もあり, 単に物理的な距離のみではなく, 植生等の環境が種内グループの変異株の分布に影響していることが強く示唆された. 引用文献 Ogawa et al. (2005) Mycoscience 46: 343 - 351 本研究の一部は財団法人発酵研究所(2006-2008)を受けて行った.
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© 2009 日本菌学会
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