抄録
一般化Langevin 方程式を利用すると,様々な粗視化手法の違いが明らかになる.固体を粗視化する際は,熱揺らぎや散逸よりも,粗視化に付随するマクロな拘束条件下での原子系の自由エネルギーが重要となる.このことから我々は熱統計力学に基づいて固体原子系を粗視化する手法を開発した.さらに原子領域と粗視化領域を空間接続する手法を開発した.これらの応用として,固体の亀裂進展に関して,粗視化領域と原子領域を同時並列に扱うハイブリッドシミュレーションを動的な領域切替を含めて実行し,その実用性を実証する.