アンサンブル
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最近の研究から
最近の研究から「非平衡不規則系における化学反応の理解に向けた第一原理分動力学手法の開発」
島村 孝平下條 冬樹中野 愛一郎
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2017 年 19 巻 2 号 p. 123-129

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抄録

我々が最近開発した, 非平衡不規則系で起こる化学反応を取り扱うことを目的とする第一原理分動力学(AIMD)法に関する二つの手法, すなわち, Lean Divide Conquer Density Functional Theory (LDC-DFT)法とOmni-Directional Multi-Scale Shock Technique (OD-MSST)法, および, これらの適用例を紹介する. LDC-DFT法に基づくAIMDシミュレーションは10,000原子以上の大規模不規則系で起こる化学反応を高精度に記述でき, 例えば触媒物質の大きさとその活性の相関を明らかにできるので工業的な利用を目的とした物質構造設計が行える. 一方, OD-MSST法に基づくAIMDシミュレーションは異方性材料に対する衝撃応答が誘発する化学反応の体系的な調査が行える. これはメカノケミストリ分野における材料設計に役立つ.

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© 2017 分子シミュレーション研究会
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