2023 年 25 巻 2 号 p. 137-142
“流れが速くなればなるほど,液体の流動抵抗が小さくなる”というシアシニング現象は,ほとんどのソフトマターで観測される普遍的な非ニュートンレオロジー現象である.それはガラス形成物質の場合にも例外ではないが,その発生機構については,現在も十分に理解されていない.本稿では,特にフラジャイルガラス形成液体について,剪断流下での有効体積分率(自由体積) の減少(増加) という観点から,シアシニングが定量的に説明されることを示し,その背後にある物理的な意味を議論する.