2025 年 32 巻 Supplement 号 p. S99-S105
本研究では,乾式法による酸化カルシウムと生石灰からの非晶質炭酸カルシウム(ACC)の生成について検討した.ACCはCaOの自然消化と炭酸化の過程で生成した.CaO源として,沈殿炭酸カルシウムと石灰石を加熱して製造した酸化カルシウムと生石灰を使用した.また,相対湿度(RH)50%と65%の影響も検討した.それぞれのCaOが水酸化カルシウムに変換された時点で,すでにACCが形成されていた.酸化カルシウムを使用した場合,RH50%では24時間後に最大量のACCが生成された.一方,生石灰を用いた場合,ACCの生成量は50時間で最大となった.ACCの生成時間は,生石灰の方が酸化カルシウムよりも1.3–2.4倍長かった.湿度が高いほど,水和と炭酸化が早まり,ACCの生成時間は短くなったが,ACCの最大生成量に変化はみられなかった.