Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
解説
セラミックスの高機能化と製造プロセス革新
目 義雄
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ジャーナル 認証あり

2025 年 32 巻 Supplement 号 p. S123-S131

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抄録

 セラミックス産業界に共通する技術課題解決のための基盤的研究開発として,「セラミックスの高機能と製造プロセスの革新」が科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラムA-STEP産業ニーズ対応タイプに選定された.2016年度から本技術テーマが開始されプログラムオフィサーとして5年間このプログラムを推進し2022年に追跡評価が実施され,高い評価を得た.筆者は,NIMSにおいて10年間「微粒子プロセスの高度化と多機能セラミックスの創製」に関するプロジェクトを行ってきた.ここでは,特に,セラミックスプロセスにおける成果として,1)ブラックボックスとされてきたセラミックス製造プロセスにおける構造形成過程に新しく光コヒーレンストモグラフィー(OCT)観察法を適用,2)経験と勘に頼っていた濃厚系スラリーの評価を科学的に裏打ちされた評価指標により制御・管理,3)より微細に粉砕しコンタミを減らすための粉砕ボールの条件を,シミュレーションと実験から明確,について紹介する.また,新規な製造プロセスの確立と新機能材料の提案例として,4)磁場を利用した粉体プロセスによる高度な微構造制御,5)電界印加したフラッシュ焼結法の新展開と応用,について著者らの成果を加えて紹介する.

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© 2025 無機マテリアル学会
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