マイコトキシン
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Research Paper
飼料用トウモロコシにおけるF. graminearum由来のデオキシニバレノールおよび配糖体(モディファイドマイコトキシン)濃度の品種系統間差
三ツ橋 昇平中川 博之松尾 洋輔黄川田 智洋玉置 宏之佐藤 尚
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2019 年 69 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

 飼料用トウモロコシにおけるデオキシニバレノール(DON)と配糖体DON-3-グルコシド(D3G)濃度の品種間差異を明らかにするため,圃場での接種試験を行った.人工的な接種と産生菌に有利な気象条件により,絹糸挿入および雌穂注入の両処理区で高濃度のDONが観察された.フモニシン蓄積への抵抗性を持つ品種 ‘きみまる’ は,本研究でのDON濃度も低く有用と考えられた.DON減毒化の指標であるD3G / DONモル比が絹糸挿入区で20%を超えた品種については,更なる試験の必要性が示唆された.本試験は単年の結果であり,DON抵抗性品種の育成に向けては,複数年に渡り種々の検証が必要である.

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© 2019 日本マイコトキシン学会
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