マイコトキシン
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魚の真菌症
畑井 喜司雄
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1986 年 1986 巻 24 号 p. 5-8

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抄録

我が国の真菌症に関する研究はまだ歴史が浅く,しかも研究者が少ないために遅々として進展していない現状にある.一方,近年その理由は明らかではないが,新しい真菌症が次から次へと見出されている.魚の真菌症起因菌は分類学的に変形菌類および担子菌類を除く全ての菌類に属しているが,重要な疾病の原因菌が分類学的に明確にされていないものもある. 本題は「魚の真菌症」であるが,魚という場合には通常魚介類,すなわちエビ類,カニ類,貝類,またときには,は虫類のスッポンなど食用上重要とされる水族動物のことを意味することが多い.ここではその概念に従い,我が国で発生が確認された養殖および天然魚介類の真菌症を中心に紹介する. なお,これまで魚介類の真菌症原因菌として報告された主たる菌類は表1に示した通りである.

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