抄録
Fusarium菌が産生するマイコトキシンとして,ニバレノール(NIV),デオキシニバレノール(DON)などのトリコテセン系化合物やゼアラレノン(ZEN)などが知られている.近年,これらマイコトキシンによる穀類の汚染が世界各地で報告され注目されている.著者らは,すでにNIV, DON, ZENの微量同時分析法を確立し,わが国産の小麦,大麦,市販食品および諸外国産の穀類に関しこれらのトキシンの複合汚染を明らかにした.今回さらに世界各地の穀類について,Fusarium mycotoxinsによる汚染実態の解明を試みたので報告する.