1982 年 1 巻 2 号 p. 166-180
本論文は蒸気-凝縮相 (液体) 間の相互作用を含めて凝縮現象を明らかにすることを目的として衝撃波管による凝縮の研究を取り扱かったものである.衝撃波管を用いると衝撃波の反射域では, 管端面上の蒸気を瞬間的に加熱, 圧縮することができる.管端壁は熱容量が大きくほとんど温度変化しないために壁面上の蒸気は冷却されていき管端面上で凝縮して一様な液膜が形成される.本研究ではこのときの液膜の厚さおよび界面での蒸気温度の時間的変化を偏光を用いた光学計測法で測定し, さらに流体力学による理論解析を組合せて蒸気の凝縮係数およびその凝縮相に対する温度適応係数を求めた.一例として, メチルアルコール蒸気を取り上げそれぞれ凝縮係数0.035および温度適応係数0.03-0.07という値を得た.また, 相変化している界面上に発達する温度境界層および蒸気の流れ場等を理論的に明らかにした.