日本流体力学会誌「ながれ」
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二次元混合層内の渦の合併の数値実験
高木 隆司田中 稔彦
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1982 年 1 巻 3 号 p. 265-273

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抄録
二次元混合層内の渦の合併の様子を調べるために, 完全流体の理論を用いて渦の運動を数値的に解析する.合併する二つの渦は渦点の集合に置きかえ, その他の渦の効果は適当な背景の流れに置きかえる.外から与えるパラメターは, 二つの渦の中心間の距離と渦の大きさである.合併の各時刻で渦度分布の四重極能率 (後に定義する) を計算する.計算結果は, 二つの渦がだいたい楕円に近い軌道を通って近づき, 最近接の時刻で合一することを示した (近接と合一の過程全体をここでは合併と呼ぶことにする).合一した渦はその後も微小な変形を続けた.これらの動きに応じて四重極能率の値も変化した.合併に要する時間スケールが適当な方法で定義できて.それが渦間距離の自乗に反比例すること, 渦のサイズのある範囲でサイズに依らないことがわかった.この結果はTakaki & Kovasznay (1978) によって仮定されたことを裏づける.渦の面積の変化や, 合併後の渦の変形が, 四重極能率の値の変化と関連していることが示された.
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