日本流体力学会誌「ながれ」
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冷気流に発生する不安定波動について
野中 善政
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1993 年 12 巻 4 号 p. 409-422

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抄録

Prandtl (1952) のモデルを基礎とする冷気流モデル (上端境界条件は摩擦のない固体壁を仮定する) の安定性をLindzenら (1985, 1986) の過剰反射の規準に基づいて, また3次スプライン補間を用いる数値計算により調べた.
擾乱モードには主に主流の変曲点効果により生ずるものと, 温位勾配の符号の変化に原因するRayleigh-Taylor型の不安定によるものがある.また後者の不安定による擾乱には冷気流モデルに固有な2種類のモードが存在する.
臨界レイノルズ数Recは傾斜χの減少 (成層効果の増大) とともに増加する傾向にあり, 傾斜が2.5°≦χ≦10°のときは, 平均Richardson数 (Rio=2cot χ/Rec) により, 擾乱発生の条件を近似的にRio〓0.023と与えることができる.

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