Tsallis統計に基づく発達乱流の解析

抄録

発達乱流の統計力学的背景を明らかにするために, 一般化されたエントロピー (Tsallisエントロピー) の極大値を与える分布関数として, 局所散逸に対する確率密度関数を導出した。得られた確率密度関数を用いて非摂動論的に導出した速度構造関数のスケーリング指数ζ_mは, 実験結果をよく説明することを示した。また, m≫1のとき, ζ_mに対数項が存在することも明らかにされた。本論文の解析によって, 発達乱流系の背景となる統計は非示量性統計であることが強く示唆された。