抄録
加熱された鉛直平板間における自然対流場の直接シミュレーション (DNS) がブジネスク近似のもとで行われた.計算は三方向スペクトル法により離散化され, 両壁面間の幅と温度差で定義されたRoyleigh数を5.4×104とした.Snapshot POD法を用いて大規模構造を抽出し, その時間発展を追跡した.大規模なストリーク構造の形成と崩壊が一つのサイクルにおいて連続的に観察され, その大規模構造の再生過程はミニマルな平板クエット流れの場合と同じ様子を示した.また, 大規模な渦流れによる強い吹き降ろしのイベントが壁面上での熱輸送に対して重要な役割を果たしていることも明らかにした.