抄録
テイラー・クエット流れにおいて, 内円筒の回転速度に振幅変調を与えることにより, エネルギーを高次のモードへ直接注入することを試みた.テイラー渦が円筒軸方向に周期的な揺動を受ける, 脈動渦流れ (WVF) を対象とした.その変動周波数を変調回転の基本周波数とし, 内円筒の回転速度を変調させた.超音波流速分布測定法 (UVP) を用い, 変調同転下にあるWVFの瞬時速度分布を測定し, 変調回転が流れ場に与える影響を調べた。その結果, この方法により, エネルギーをWVFへ直接注入することはできないが, 変調回転はWVFのエネルギーをその中心周波数に集申させること, および集中させることのできるエネルギーには限界があり, それを越えるとWVFのエネルギーが減少することを示した.
