日本内科学会雑誌
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IV.最近の話題
1.肥満症と異所性脂肪,脂肪毒性
島袋 充生山川 研益崎 裕章佐田 政隆
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2011 年 100 巻 4 号 p. 983-988

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抄録

遊離脂肪酸はエネルギー基質であると同時にさまざまなシグナル分子の基質でもあり,インスリン作用,インスリン合成・分泌に影響を与える.肥満症にともなう過剰な遊離脂肪酸は,耐糖能を悪化させる.遊離脂肪酸によるインスリン作用の障害を(広義の)脂肪毒性,インスリン分泌能に及ぼす悪影響を膵β細胞脂肪毒性(狭義の脂肪毒性)と呼ぶ.最近,脂肪組織以外の臓器に蓄積する脂肪(異所性脂肪)の動態に注目が集まっており,各臓器で何らかの病的意義を有する可能性がある.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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