認知症の二人目の患者といわれる介護家族への支援は,専門医,かかりつけ医に関わらず,医療の重要な役割である.専門医は診断への受診の敷居を低くすること,診断後の治療とケアの道筋を示すこと,かかりつけ医は患者の身体疾患を見逃さず治療すること,必要な往診を行うことなどが求められる.また,介護量を減らすための支援である社会サービスの情報提供とともに重要な,心理面の負担を軽減するための情動サポートは,家族会などのピア・カウンセリングの場の紹介が必要である.しかし,何よりも重要なのは,医師や看護師が,介護者の介護負担の存在に気付き,声をかけたり,労ったりすることである.