日本内科学会雑誌
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今月の症例
神経内分泌腫瘍を合併した甲状腺ホルモン不応症の1例
内田 浩喜橋本 朋子大和田 雅彦菅原 隆川村 実小野 貞英
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2011 年 100 巻 8 号 p. 2250-2252

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抄録
甲状腺ホルモン不応症は甲状腺ホルモンの標的臓器における反応性が低下した病態であり,その原因は主に甲状腺ホルモン受容体(THR)遺伝子の変異である.症例は甲状腺ホルモン高値を主訴に当科に紹介となった.ホルモン検査と下垂体MRIの結果から甲状腺ホルモン不応症と診断してTHR遺伝子を解析したが変異はなかった.膵臓など多臓器に腫瘍がみられ,肝腫瘍部での針生検によって神経内分泌腫瘍(NET)と診断した.THR遺伝子変異のない甲状腺ホルモン不応症とNETとの間に共通な病因があるかもしれない.
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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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