日本内科学会雑誌
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今月の症例
感染性髄膜炎との鑑別が困難であったBehçet病の1例
松村 隆志橋本 英明藤井 博司笠井 暁史小林 誠一佐藤 和人木下 康通
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2012 年 101 巻 2 号 p. 454-456

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抄録

頭痛・発熱を伴う髄膜炎,口腔潰瘍,陰部潰瘍を初発症状としてBehçet病を発症した一例を経験した.初発時,症状がそろわずBehçet病の確定診断ができなかった.髄膜炎は細菌性を否定できなかったが,神経Behçet病を疑いメチルプレドニゾロンパルス療法にメロペネムを併用し治療したところ翌日には症状はほぼ消失した.神経Behçet病が強く疑われた際は速やかな治療の開始が重要と考えられた.また本例は血清プロカルシトニンが陰性で,細菌性髄膜炎との鑑別に有用と思われた.

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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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