VACTERL連合とは,脊椎異常(V:vertebral defect),鎖肛(A:anal atresia),先天性心奇形(C:cardiac malformations),気道閉鎖を伴う気管食道瘻(T,E:tracheoesophageal fistula with esophageal atresia),橈骨および腎の異形成(R:radial dysplasia,renal dysplasia),四肢の異常(L:limb anomaly)の頭文字から成る奇形で,このうち2ないし3つ以上が併存すれば診断される
1).一方,若年発症の心臓内伝導障害は,家族性や原因遺伝子の関与が示唆されている症例もある
2)が解明されていない部分が多い.症例は,鎖肛手術歴のある35歳女性で完全房室ブロックを発症して緊急入院した.胸腰椎の変形や肋骨の融合,左上大静脈遺残(PLSVC)を認めたため,VACTERL連合と心臓内伝導障害の合併が疑われる極めてまれな症例と考えられた.
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