日本内科学会雑誌
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今月の症例
硫酸マグネシウム投与により心室細動が誘発されたwide QRS tachycardiaの1例
前田 武俊大塚 敏之入江 聰五郎瑞慶覧 貴子芳田 久大城 康一
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2012 年 101 巻 4 号 p. 1082-1084

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抄録
30歳,男性.動悸持続を主訴に来院.来院時意識清明,脈拍触知可.心電図にて多形性wide QRS tachycardiaを認めたためtorsades de pointesを念頭に置き硫酸マグネシウムを投与したところ心室細動となった.蘇生後の心電図にてWolff-Parkinson-White(WPW)症候群と診断.今回の発作は心房細動の合併による偽性心室頻拍と判明した.硫酸マグネシウムは比較的安全な抗不整脈薬であるが,房室結節抑制効果により本症候群では有害に作用し得る.
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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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