2012 年 101 巻 5 号 p. 1397-1400
脳腱黄色腫症(cerebrotendinous xanthomatosis:CTX)は知能低下,小脳失調,白内障,腱黄色腫を呈する遺伝性代謝疾患である.本例は53歳,女性.四肢に巨大な軟部腫瘤を認め生検により黄色腫と判明.小脳歯状核病変や血清コレスタノール高値からCTXと診断しケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid:CDCA)とスタチンの投与を開始した.下腿の巨大黄色腫はMRIでT2WI高信号域を認め出血や粘液変性の存在が示唆された.