日本内科学会雑誌
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今月の症例
免疫学的な背景なく広汎な帯状疱疹ウイルス脳炎を呈し剖検に至った81歳男性例
間野 達雄遠藤 由理佳中山 貴博村山 繁雄今福 一郎
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2013 年 102 巻 2 号 p. 440-443

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抄録

帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)脳炎は,神経節に潜伏感染したVZVの再活性化による脳炎である.症例は81歳,男性.嘔気,不明言動で発症し,急激に進行する意識レベル低下・脳幹機能障害を呈した.頭部MRIでは大脳底部,脳幹,小脳に広汎な炎症所見を認めた.アシクロビル1,500mg/dayを2週間投与したものの神経障害の改善なく死亡,広範な脳炎と壊死に加え,Alzheimer病の合併が確認された.

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© 2013 一般社団法人 日本内科学会
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