抄録
急性骨髄性白血病(AML)の寛解導入療法では,シタラビンとアントラサイクリン(イダルビシンや高用量ダウノルビシン)の併用療法が用いられ,若年AML患者では,7割を超える完全寛解率とおよそ5割の長期生存率が得られる.寛解後療法は,AML診断時の染色体異常に基づくリスクに応じて選択され,予後良好群は大量シタラビンが,予後不良群では多剤併用化学療法に加えて造血幹細胞移植療法(HSCT)の選択が考慮される.高齢者AMLでは,全身状態が良好で主要臓器機能が保たれていれば,若年者と同様の併用化学療法の恩恵が期待できる.