2013 年 102 巻 8 号 p. 2050-2052
症例は70歳代女性.下血・ふらつきを主訴に受診した.上・下部内視鏡にて出血点はなく,小腸出血が疑われた.入院後に血圧低下,大量下血を来たしdynamic CTを行ったところ,近位空腸に造影剤の漏出を認めた.血管造影下塞栓術を施行したが効果が無く,循環動態を安定させた後,小腸ダブルバルーン内視鏡(DBE)を施行,空腸憩室内露出血管を認め,クリッピングにて止血した.中等症以上の小腸憩室出血であっても出血点が予測できていれば,DBE下止血術も考慮される.