日本内科学会雑誌
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今月の症例
発熱,筋痛,下肢の紅斑・硬結を主症状としたミノサイクリン誘発性結節性多発動脈炎の1例
中村 潤菅原 斉石井 彰塚原 理恵子出光 俊郎眞山 英徳渡辺 珠美野首 光弘
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2013 年 102 巻 8 号 p. 2053-2056

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抄録

症例は53歳,女性.入院5カ月前から掌蹠膿疱症に対しミノサイクリン(MINO)とビオチンの投与開始.1カ月前に発熱と筋痛を自覚.階段昇降が困難となり,両側下腿に隆起性紅斑が出現し入院.両薬剤を中止後,発熱,筋痛,紅斑は速やかに消失.紅斑の皮膚生検病理は壊死性血管炎の所見.ビオチン再開後も発熱と筋痛の再燃なく,MINO誘発性結節性多発動脈炎(MIPN)と診断.MIPNの報告は24例に過ぎないが,MINO内服中の新たな発熱,筋痛,紅斑などの血管炎様症状出現時には,薬剤性血管炎,特にMIPNも考慮すべきである.

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© 2013 一般社団法人 日本内科学会
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