2014 年 103 巻 5 号 p. 1049-1054
急性腎不全は,定義や分類,診断基準が統一されていなかった.さらに医療の進歩に関わらず腎ならびに生命予後が不良であった.そのため,早期に診断し,予後改善を目指した適切な治療を行うためにも統一した診断基準が求められた.これらの背景から,血清クレアチニン値と尿量により診断する急性腎障害のRIFLE分類とAKIN分類が示され,2012年にこれらを統合したKDIGO分類が提唱された.今後,これらを通じて急性腎障害の病態解明,治療法,予後改善などが一層進歩することが期待される.