2015 年 104 巻 12 号 p. 2533-2538
約10年の議論を経て,平成16年から2年間の必修医師卒後臨床研修が始まった.それ以前のインターン制度や努力義務ストレート研修方式の臨床研修制度が内包していた種々の問題点を解決し,21世紀の超高齢化社会のニーズを反映した制度と考えられた.しかし,この大きな教育改革は日本の医療制度が持つ課題を顕在化させることにもなり,多くの議論が起こり,2度にわたる見直しを経て今に至っている.今後とも社会の要請に答える形で課題を乗り越えて,日本の医学教育における臨床教育の中心としてさらに充実することが望まれる.