2015 年 104 巻 5 号 p. 948-952
腎臓はミネラル代謝ネットワークの要であり,その機能が失われると全身の障害であるchronic kidney disease-related mineral and bone disease(CKD-MBD)が発症する.透析医療の黎明期において頻発した骨折の主因はCKD-MBDであった.治療が進歩した今日では,このようなタイプの骨病変は稀になった.しかし,透析患者の脆弱性骨折発症リスクはなお著しく高い.そこには加齢性骨変化に類似した尿毒症性骨粗鬆症が関与している.対策として骨粗鬆症治療という新たな発想が求められている.