2016 年 105 巻 1 号 p. 62-66
非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,長期生命予後にほとんど影響を与えない病態から,肝硬変・肝癌に進行する病態まで非常に広い疾患スペクトラムを有している.NAFLDは,メタボリックシンドロームの肝での表現形であるとも考えられ,経過中には糖尿病や心血管イベント発症に気を配る必要がある.肝線維化進展例では,肝発癌が大きな問題となってくるため,腹部超音波検査を主体とした肝癌サーベイランスを行う必要がある.