日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
Choosing Wiselyキャンペーンについて
小泉 俊三
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2016 年 105 巻 12 号 p. 2441-2449

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抄録

Choosing Wiselyキャンペーンは,米国内科専門医機構財団の主導で2012年に発足した.米欧で同時発表された「新ミレニアムにおける医のプロフェッショナリズム:医師憲章」(Medical Professionalism in the New Millennium:A Physician Charter)(2002)を実践に移すべく,全米の臨床系専門学会に対して“再考すべき(無駄な)医療行為”をそれぞれ5つずつリストアップすることを求めたところ,大部分の専門学会が根拠文献とともにこれに応じたことで大きく注目された.キャンペーンとしては,「賢明な選択」を合言葉に,患者にとって最も望ましい医療について“医療職と患者との対話を促進する”ことを目指し,患者向けの説明資料や診療場面の動画を数多く提供している.2014年開催の国際円卓会議を機にこの機運は全世界に広まり,Choosing Wisely Internationalとしての本格的な活動が始まっている.これまでevidence-practice gapといえば,実施すべき医療が実施されていないことを指していたが,このChoosing Wiselyキャンペーンが,臨床的有用性についてのevidenceなしに実施されている過剰な医療に着目したことは,EBM(evidence-based medicine,根拠に基づく医療)の今日的展開という意味でも,また,医療技術評価論の立場からするlow-value care(低価値医療)への警鐘としても,特筆に値する.

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