2016 年 105 巻 7 号 p. 1246-1254
多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)の治療成績は新規薬剤の登場により劇的に向上したが,65歳以下の重篤な臓器障害のない症候性骨髄腫患者では,現在も自家末梢血幹細胞移植が治療の中心である.移植適応患者では診断時より寛解導入療法,幹細胞採取,自家移植,地固め・維持療法による一連の治療計画を立てる必要がある.同種移植は治癒の可能性があるものの,治療関連死亡率が高いため,ハイリスク症例や難治例を対象とした研究的治療に位置づけられる.