2016 年 105 巻 8 号 p. 1400-1406
てんかん発作に起因する交通死傷事故の発生により,運転免許制度が改正され,「道路交通法の一部を改正する法律」および「自動車運転死傷行為処罰法」が施行された.改正点は,一定の症状を呈する病気等に該当するかの判断に必要な質問票の虚偽の報告者に対する罰則および医師による届出に関する規定の整備である.さらに,特定の病気等の影響で正常な運転に支障を来たし,交通死傷事故を起こした場合の罰則(新類型)が強化された.医師にも患者にも法律の遵守が求められている.