2017 年 106 巻 1 号 p. 58-63
好酸球性消化管疾患(eosinophilic gastrointestinal disorders:EGIDs)は,病変が食道に限局する好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis:EoE)と,主に胃・小腸・大腸に病変が存在する好酸球性胃腸炎(eosinophilic gastroenteritis:EGE)に分類され,食物などをアレルゲンとする慢性アレルギー疾患と考えられている.好酸球性食道炎・胃腸炎はHelicobacter pylori(H. pylori)陰性者で罹患率が高く,H. pylori陰性時代において留意すべき疾患である.近年,厚生労働省研究班によってこれら2疾患に対する診断基準や治療法が提唱され,今後はそれらに準じた日常臨床が推奨される.