2017 年 106 巻 11 号 p. 2453-2460
慢性便秘は未曾有の高齢化を反映し,患者数の増加が著しい疾患である.慢性便秘は薬剤性や症候性等による続発性便秘と原発性である慢性機能性便秘に分類され,さらに,後者は結腸通過時間正常型,結腸通過時間遅延型,便排出障害型の3つに分類され,その診断は最近改定されたROME IVにより規定されている.近年,臨床治験を経たエビデンスレベルの高い新規慢性便秘治療薬として,ルビプロストンやリナクロチド,さらには緩和領域では末梢型オピオイド受容体拮抗薬としてのナルデメジンの登場によって,治療現場が大きく変わりつつある.