2017 年 106 巻 3 号 p. 598-604
22歳,日本人男性.18日前からの発熱,皮疹および肝機能障害で当院へ紹介入院となった.38℃台の発熱,顔面を含む全身の紅色皮疹,表在リンパ節腫脹,肝機能障害,異型リンパ球を伴う白血球増多があり,経過中,ヒトヘルペスウイルス6(human herpes virus 6:HHV-6)の再活性化が確認されたため,薬剤過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と診断した.症状出現5週間前からのトリクロロエチレン(trichloroethylene:TCE)曝露が判明し,TCEによるDIHSと判断した.パルス療法を含むステロイド投与で治癒した.