2017 年 106 巻 4 号 p. 718-724
冠動脈疾患など心血管病の予防にスタチンを中心とした脂質低下療法が重要であることはいうまでもない.積極的脂質低下療法による,より大きなイベント抑制効果やプラーク退縮効果が報告され,特に高リスク群でベネフィットが大きいと考えられる.スタチン治療後の残存リスクやスタチン不耐性の高リスク症例は,既存治療におけるアンメット・メディカル・ニーズであり,PCSK9(proprotein convertase subtilisin/kexin type 9)阻害薬などによる今後のエビデンスが期待される.