2017 年 106 巻 4 号 p. 735-741
残余リスクの正体は何か―標準治療であるスタチンによるLDL-C(low density lipoprotein-cholesterol)低下の限界を超える新たな治療薬の登場により,LDL-C低下療法は新時代に入り,また,ゲノム研究から,高TG(triglyceride)血症も重要な動脈硬化リスクであることがわかってきた.より若年からの介入の重要性,新治療薬開発など,脂質の治療は新たなパラダイムに入ろうとしている.Commonな脂質異常から遺伝子異常の明らかな難病まで,脂質異常症の治療の今後の可能性を探る.